生産者の紹介

この方にインタビュー

生産者である、大島 智さんの写真
おおしま さとる

大島 智さん

大島洋蘭(名古屋市緑区)

生産しているもの

洋蘭(シンビジウム・デンドロビウム・カトレア)

農業を始めたきっかけは?

祖父の代から畑をやっていて、僕の父から洋蘭の生産がスタートし、後を継いでほしいとのことだったので、継ぐことにしました。

一日のスケジュールまたは年間スケジュールを教えてください

農園の様子

時期によって一日の動きが違うので、年間スケジュールでお話ししますね。
1月から3月にかけては、年末に向けて出荷した分の空きスペースの整理と片付けをした後に、次の開花時期のものを移動させ、肥料をまく作業を行います。
4月からは暖かくなり、植物が育つ季節となるので、植え替えを行います。鉢が小さく土の量が少ないと植物はしっかりと根を張ることができず、育ちが悪くなってしまうため、一回り大きい鉢に替えます。
6月にはビニールをとって遮光ネットを張ります。強い日差しで葉っぱが焼けると、真っ白になり、ダメになってしまうため、ネットをかけるのは重要な作業です。
7月初めから20日頃までは山上げをします。シンビジウムは発達に冷涼な条件を要する植物なので、高温期には平地から高冷地に移して栽培するんです。愛知県のほとんどのシンビジウム生産者さんがあげている段戸山に移します。毎朝6時に出て午前中は山上げ作業を行い、帰宅後には翌日運搬する分をトラックに荷詰めします。
8月から9月頃までは山上げした植物に水をあげます。うちは他の生産者さんと3日交代制で水かけ当番をします。
10月には山の気温が下がるため、山上げした植物を戻す作業を行います。山上げ同様、6時に出発して、山でトラックに荷詰めを行い、帰宅後には成長した花どうしがあたらないように並べて戻しています。
その作業が終わり次第、出荷の準備作業に入るといった流れになります。出荷時期でいえば、うちで取り扱っているもので早い品種だと9月下旬・遅い品種だと2月頃なので品種によってばらばらになりますね。

栽培するにあたり、難しいことや大切にしていることはありますか

見栄えが綺麗に見えるように支柱を立てられたシンビジウム

栽培するにあたり、花の仕上げをどう綺麗に見せるかを特に大切にしています。花が重なって見えなくなってしまうと、見栄えも残念になってしまうので、バランスを考えて支柱を立てたりと工夫をしています。
アーチ型も、品種によっては曲げやすい曲げにくい・折れる折れないものがあるので、それぞれを綺麗に見せていくのが難しいところではありますね。手をかければかけるほど仕上がりは良くなりますが、うちはほぼ家族経営なので、現状手をかけることが難しくその中でどれだけ綺麗に見せられるかが重要かと思います。

名古屋市の農業は将来どうなってほしいですか

名古屋市の農業について語る大島さん

農業をやっている方が少なく、都市農業を営んでいる方も年々少なくなってきていますので、もう少し名古屋市内で農業をやれるような環境が整えば未来は明るいと思います。
農地や税などの制度がもう少し改善されるといいと思うのはもちろんですが、農業者以外のみなさまに少しでも農業への理解があると嬉しいです。実際に、花の消毒をするときに動噴という噴霧器を使うためその音がうるさいと言われるときがありました。その他にも換気扇や室内を温めるときのボイラー等の音も問題になりましたね。住宅が周りに多い分、大変難しい問題ですが、周辺の理解を得ながらより良い都市農業ができたらと思います。

将来の農業者へ一言

花の生産者に向けて、大変かとは思いますが未来の農業は明るくなると思いますので、是非頑張っていただきたいと思います!

農園の様子
シンビジウム
作業道具